小島一志著「添野義二 極真鎮魂歌 大山倍達外伝」(発行日:2018. 2.25、発行所:(株)新潮社)を読みました。
さて、感想ですが、面白かったです。表題の「添野義二」氏は漫画「空手バカ一代」(原作:梶原一騎、漫画化:影丸譲也)で、ケンカ十段の「芦原英幸」と共に準主役となっていた極真空手の高弟で、いずれも、あまりに能力があったため、大山氏より破門されています。
私は梶原一騎氏がプロデュースした映画のVHD「地上最強のカラテ -総集編-」・「キョクシン」の2本を観て、加えて、漫画「空手バカ一代」をみて、手加減をしない、すなわち、寸止め空手ではない極真空手のファンになったのですが、実は、映画を観てて、違和感を覚えていました。すなわち、それは、漫画では高潔な人間のように見えた大山氏が、映画ではまるで、暴力団の親分みたく見えたこと、そして、おそらく、当時、最も強かったと思われるウィリー・ウィリアムスが、極真空手が主催した世界大会で反則負けになったことから、何か、おかしいと思っていましたが、この本を読んで、その理由がよくわかりました。
すなわち、大山氏は朝鮮生まれで、45歳になって日本国籍をとったにも関わらず、漫画でも映画でもそれが全く描かれていなかったこと、ものすごく、お金に執着していたこと、言っていることに一貫性がなかったこと、添野氏に指示して、敵と考えられる人達を襲わせようとしたり、殺そうとしたこと、世界大会において、ウィリーが優勝しないように画策したこと等、ともかく、映画や漫画で描かれていた人とは全く異なる人物であったようです。すなわち、漫画も映画もノンフィクションではなく、フィクションであったと言う訳ですね。これでは、芦原氏や添野氏が離反するのもよくわかると思いました。
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posted by matsumo at 18:52| 東京 ☁|
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